ひつじの部屋

多趣味・多経験を活かしたい

今日の一冊「よもつひらさか」今邑彩

暗くて、ドロドロして、ちょっと不思議な、夏に似合う怪談話を読みたくて選んだけど、
イマイチこれじゃなかった感。得られる恐怖心が人間由来だったからかなぁ。

夏の怪談物って、この世ならざるモノ的な何かにゾっとさせられたいものじゃない?
短編集なんだけど、基本的にミステリーっぽい感じで、
シックスセンス的現象が起こっているのは、十二話中3つくらい。
それらも背筋をゾッとさせるようなものでもなく。

あー。鏡の話はちょっと読みたいイメージに近かったかも。
現在を映さない鏡の、結末にゾっとした。未来の不幸をチラ見せされた、みたいな。
でもゾッとする対象は人間の業の深さというか、
やっぱり鏡自体は善でも悪でも無い感じで、うん。
全体的に嫌いじゃないんだけど、今じゃなかった。

絵の話や茉莉花の話は、今の読みたい気分の内容ではなかったけど
ストーリーが面白くて楽しかった。

仄暗いミステリーが読みたい時ならコレだな。