ひつじの部屋

多趣味・多経験を活かしたい

「凍える島」近藤史恵

「タルト・タタンの夢」を探した時に、隣にあったので読んだ。
これは人の死ぬ系のミステリー。むしろ連続殺人でどんどん死ぬね!
無人島に集った男女が次々に殺されていく、超王道なミステリー。
そして誰もいなくなりはしなかったけど。

ミステリーは推理しないで登場人物と一緒にハラハラしながら読むタイプなので、
最後まで犯人どころか探偵役すらも誰が担っているのか分からなくて、ぞくぞくしました。
死体の描写とかがちょいグロテスクな部分もあって、
これはミステリーはちょっと…って人には絶対に勧められないやつ。
逆に理不尽にじゃんじゃん殺される系の話が読みたいぜ!って人にオススメ。

でも私は、この犯人の殺人動機に一切の共感ができない。
愛とか恋とか、そういうの、人を殺す理由になんないから。ただ理不尽でむかついた。
最初の殺人は理由としてはまだ分からないでもないけど、第二、第三は本当に理不尽。
まあ、単純に好意を持っていた人間(つまり推しキャラ)が無残に殺されて悔しいだけでもある。
そして、最後に真実に辿り着いた探偵役が、切なくて可哀そう。
この事件に巻き込まれなければ、何も変わらずにいられたかもしれないのにね。

平成中期のドロッドロな昼ドラが好きな方にはオススメします。