ひつじの部屋

多趣味・多経験を活かしたい

今日の一冊「竜宮ホテル 水仙の夢」村山早紀(徳間文庫)

今日は日本人作家さんだけど、ちょっと魔法な話。
天狗は出てこないけど、幽霊とか猫娘的な妖怪は出て来る。

これも昨日に引き続き、シリーズ物の第三弾。
謎に三の呪いに憑かれ始めた私。
明日は意図的に何かの第三巻でも選んで行こうかな。

竜宮ホテルシリーズは文庫本で全部持っている。
村山さんの本は児童書作家さんってこともあって、柔らかくて優しい。
疲れている心に沁みるやつ。

でも中でも竜宮ホテルシリーズは、けっこうテーマが重い方なんじゃないかな。
この三巻目にも、非業の死を遂げて鬼になっていた男の話とか、
疲れ果ててうっかり自殺しそうになった若者が出会った奇跡とか、
母親に虐待されていた女性が、その生霊に呪われていたりとか、
うん、冷静に一部だけ取り出してみると、超絶に重たいな。。

でも最後はみんな報われる、わけじゃないけど、
でもアンハッピーにはならないタイプの、優しくて強い物語なので。
一巻の解説曰く、「癒しと再生の物語」なので。

ぶっちゃけ1・2巻の内容をぼんやりとしか覚えていなくて、
ひなぎくちゃんという猫少女の名前すら忘れていたんだけど、
たぶん前の巻を読んでいなくても短編として楽しめるとは思う。
でもホテルの住人の関係性とか、気になるなって場合は全部読まなきゃだな。

この物語自体も素敵なんだけど、あとがきに書いてあった、
「物語はいつも、空からこの耳にささやくように降ってきます」
という言葉も素敵だなーと。
私が物語を書きたいと思う時はいつも、怒りや悲しみが心の底から湧いてくる時だから。
空から降る、優しい声が聴こえるようになりたいものです。