ひつじの部屋

多趣味・多経験を活かしたい

今日の一冊「怪人二十面相 私立探偵 明智小五郎」江戸川乱歩(新潮文庫)

朝、急いで取りあえず薄くてすでにブックカバーの掛かった本を選んだら、
まさかの江戸川乱歩
ランダム読書にも程があるわ。
でもせっかくだから、明日は「少年探偵団」を読もうかな。

名探偵コナン世代だから、読んでいると端々にコナン君がちらつく。
いや、こっちが本家本元なんだけどさ。
でも少年探偵団とか、小林少年の七つ道具とか、つい連想しちゃうよね。

数年前に映画化された「K-20」も観たけど、
色々オマージュされるほど偉大な傑作なんだなぁと、しみじみ読んでしまう。

けど意外ととっつきやすい。「吾輩は猫である」よりよっぽど読みやすい。
もともと児童向けってこともあるだろうけど。
古い小説なのに、堅苦しくないし、作者が読者に語り掛けるような感じで、
おじいちゃんに昔話を話してもらっているような。
昔々、こんな面白い怪盗と名探偵がおったんやで、みたいな。

しかし怪人二十面相もなかなかに愉快な存在よね。
美学のある怪盗って、ある種のヒーロー感がある。
予告状を必ず出して、人は殺さない。
そして好敵手の名探偵と五分五分の頭脳戦をして、
お互い対峙しながら認め合ってて、謎の信頼関係がある。
そんでもって、両者ともに警察は馬鹿にしている節がある。

あれ、江戸川乱歩を語っているつもりが、名探偵コナンの話をしている気分になってきたぞ。

これを読んでいて、登場人物たちや文体に歴史を感じはするけど、
一番可愛いなwって思うのは、厚顔不遜な怪人二十面相の一人称が「僕」なところなんだよな。
次に可愛いなwって思うのが、小林少年の伝書鳩のネーミングセンス。
ハトにピッポちゃんなんて、現代っ子なら絶対に付けないよね。