ひつじの部屋

多趣味・多経験を活かしたい

今日の一冊「ホワイトラビット」伊坂幸太郎(新潮社)

これはガッツリ黒澤さんが格好いいやつ。
今村君もガッツリ出ていることはスッカリ忘れていた。
てか「フィッシュストーリー」の「ポテチ」の主要メンバー再集合だったわ。

ずっと読み返そうと思ってて、ずっと放置していた。
華麗なる伏線回収系の小説って一回読んで満足しちゃうと、
次に読む気がなかなか起こらないんだよねえ。
といって好きな小説は売ったり捨てたりなんて以ての外だから、
本棚の空間をドンドン侵略していく。

 

なんか記憶にあるよりサックリ読めちゃった。
もう二回くらいどんでん返らなかったっけ。。
でも黒澤さんが相変わらず格好良かったので満足。
なんやかんや事件に巻き込まれていって、
結局は困っている人を見捨てられない情のある黒澤さんが可哀そ格好良くて、可愛い。
美学を持っている、クールな泥棒ってなんかロマンをくすぐるよねぇ。
ちょっと義賊的な部分があると、魅力的に思える。
小学生の頃に読んでいた怪盗クイーンシリーズの影響だろうか。
それとも、ヤンキーが子犬を拾うとめっちゃ良い奴に見える現象だろうか。

 

語り口調がレ・ミゼラブル調でユニークだから、ちょっと苦手に思う人もいるかもって思うけど、
私としては主張の激しい作者も好き。

でもなぁ。伊坂作品の中では、私的ランキングの上位には入らんなぁ。
なんか綿子ちゃんはただ不憫だし。懲悪ではあるけど、勧善ではないような。
善人が報われてないってわけじゃないけど、みんな罪を犯しちゃってない?みたいな。
あと、今一つ釈然としない感じは何だろうって考えたら、
今村とその上司の行動に若干イラッとしたからでもあるかも。
私の大好きなクールな黒澤さんを乱してくれるな、って。
黒澤さんも割と巻き込まれの不憫君で、名言少なめだった気がする。