ひつじの部屋

多趣味・多経験を活かしたい

今日の一冊「烏に単は似合わない」阿部智里(文春文庫)

そろそろ読み返そうかなーと思っていたシリーズ物。

物語が一段落つく六巻までしか持ってないけど、
最近本屋で続きを見かけた。けど買わなかった。
古本屋で運命的に出会えたら買おうかな、くらいの。
一時期ハマってたんだけど、年取って熱意が冷めた。

これは一巻目だけど、これだけじゃハマらなかったな。
女同士のすったもんだは気持ち悪くて共感できないから好きじゃない。
二巻目の方が好き。
二巻目の主人公の雪哉少年の腹黒いのにたまに素直なキャラが好き。

異世界ファンタジーなんだけど、現代とも繋がりはある。
のは特に五巻目の「玉依姫」か。

基本的に登場人物は『八咫烏』という種族で、烏に姿を変えられる。
日本神話に出て来る、足が三本の例のアレ。
でも通常はヒトの形で生活していて、ヒトっぽい文明を築いている。
世界観的には奈良・平安なのかな。それか神話の世界。
貴族と平民との溝が深い感じ。近代的な機械の無い、全てが人力の世界。

当然の如く、貴族・皇族たちが主人公になって物語が展開していくわけだけども。
この一巻目は『若宮』といういわゆる皇太子、次期族長の嫁選びが主軸。
というわけで、煌びやかなお姫様たちがドロドロしているやつ。

しかし設定はファンタジーだけど思った以上にミステリーでサスペンス。
何人か殺されてるし。
ファンタジーの設定の細かさも面白いけど、あらすじと展開だけ見ても凄い。
あんまり書くとネタバレしかできない。けど、一言いうなれば、女って怖い。
女の気持ち悪い感じが、さすが女性作者だよね。