ひつじの部屋

多趣味・多経験を活かしたい

一昨日からの続き「妖怪博士」江戸川乱歩

勢いのままに、シリーズ三作目。
ここまでしか持っていないけど、まだ続いているのね、
ということをウィキペディアで知った。
ウィキったら怪人二十面相の本名まで普通に出てきた。
知りたかったのはソレジャナイ。

三作目を初めて読んだときは、えーって思った。
だって華麗に宝物を盗み出す怪盗の知恵が、みみっちい復讐に使われているんだもの。
良い大人が少年たち相手に本気で復讐せんでくれよって。

特に最後のエピソードなんて、宝すら出てこなくて、
ただただ少年探偵団を怖い目にあわせて、明智探偵を貶めようってだけなんだもの。
おい、紳士設定どこさ消え去った、と。
おまえさん、どこに労力さ使いよるんや、と。

まあ、物語の展開上、少年探偵団を活躍させたいから、
彼らに構わずお宝ばかりを追いかけているわけにもいかないんだろうけどさ。
でもせめて予告状を出した活動をしようぜ、と。

でも今回改めて読んでみたら、意外と怪盗と探偵の知恵比べって感じで面白かった。
犯行の動機がみみっちいなってだけで。
やっぱり直接少年たちに危害を加えるんじゃなくて、
本職の窃盗で探偵たちの鼻を明かして頂きたいよね、という結論はあるのよ。

本気で自分の欲求のままに生きている感じは、ある意味で清々しいのかもしれないか。