ひつじの部屋

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「魔女の宅急便②キキと新しい魔法」角野栄子

魔女の宅急便②キキと新しい魔法

魔女の宅急便、二作目!
キキも十四歳になって、現代で言う中学二年か三年なわけで。
思春期だし、まあ色々悩むよね。
その悩みが「カワイイ」と思ってしまう程度には大人になりました。

大人になったら税金とか人間関係とか、そんな大きなところから
二日酔いとか胃もたれとか、筋肉痛が治らないとか、
どうでもいいボロばっかりに一々心を囚われたりして、恋の悩みが羨ましくも思う。

さて、この二作目は、ちょっと切ないお話が多い気がする。
シッポを失って落ち込んでしまったカバから始まり、
ピンピンのシャツや大切なリンゴ、不気味な黒い手紙なんかを運ぶ中で、
存在意義とか考えて、自分についての悩みに悶々として。

好きなエピソードは選び難いけど、「赤ちゃんの写真を運ぶ」かなぁ。
三作目にも関わってくる内容なんだけど、
キキが遠い島まで飛んで、ウタウモノの暁の歌を聴く話。ちょっと幻想的。

あと、「さんぽを運ぶ」話も好き。
歩けなくなったおじいさんの代わりに、杖と散歩をする話。
キキが飛んでいないエピソードだけど、ちょっと切なくて好き。

そして悩めるキキは、何かを作り出すことに興味を持って、
今まで覚えなかった「クシャミの薬」という新しい魔法を取得したのでした。
二作目からは完全に映画とは違うエピソードしかない。

 

このまま順調に三冊目を読む予定だったのだけど、
伊坂さんの新刊にうっかり本屋で出会って買ってしまったので、
しばらく魔女の宅急便は休憩。
といっても明日中にはペッパーズ・ゴーストも読み終わるとは思う。
だってまだ序盤しか読めてないけど、すでに伊坂節全開で面白いもん。