ひつじの部屋

多趣味・多経験を活かしたい

「Wonderful Story」(PHP文芸文庫のアンソロジー)を読んだくせに伊坂さんの短編について語り出すフリーク

伊坂幸太郎「イヌゲンソーゴ」、
大崎梢「海に吠える」、
木下半太「バター好きのヘミングウェイ」、
横関大「パピーウォーカー」、
貫井徳郎「犬は見ている」
の5人の作家さんのアンソロジー

ワンダフル、の「ワン」は「犬」ということで、それぞれ犬にまつわる物語。
私は猫派だけど、伊坂幸太郎の引力に負けて買ったやつ。勝てる気はしないというか、勝つ気がない。

安定の伊坂さん面白い!あと、最後の「犬は見ている」もちょっと薄気味悪い感じで好みでした。

解説まで読むと、このアンソロジーの発起人の方の裏話というか、それぞれの作家さんの人間性みたいなものが垣間見られて面白いので、ここまで含めて素敵なアンソロジーです。

 

こういう伊坂さんの短編が好きなんだよなぁ。
{イヌゲンソーゴ」は、「犬」が出て来る童話を現代風かつ和洋折衷にごった煮にした変な話。
花咲かじいさんとか、ブレーメンの音楽隊とか、その他諸々。
ちなみにブレーメンの音楽隊(のような)一行は、仙台を目指していたことになっている。
もう設定が謎すぎるのに、「まいっか。めでたしめでたし」って感じがまったく伊坂幸太郎だよね(褒めている)。

同じシリーズに「Happy Box」ってあるんだけど(これは「幸」の文字を持つ作家さんのアンソロジー)、こっちの「Weather」も好き。
ストーリーも優しいし、やたらと天気の話題に強いシミズ君の人のよさにもホッコリする。

ちなみに「I LOVE YOU」っていうこれもアンソロジーに入っている「透明ポーラーベア」は
全伊坂作品のうちで、1・2を争うくらいに好き。
短編だけど、めっちゃ心が痺れる。ちょっと切なくて、でも、人の縁って温かいなって思える感じ。

 

あれ今日、私って何を読んだんだっけ?
まいっか。私だけはHappy ever after.