ひつじの部屋

多趣味・多経験を活かしたい

今日の一冊「コララインとボタンの魔女」ニール・ゲイマン(角川文庫)

読書の時間がなくて、薄めの児童書祭りになっておる。

先日、本棚の整理をした際に、こんなの持っていたかしら、と発掘した代物。
ニール・ゲイマンは「アナンシの血脈」や「スターダスト」は読んだ記憶があったんだけど。
「コラライン~」は十年位前に映画化されていたから、そのくらいの時代に買ったんだと思う。
改めて読んだけど、読んだことがあるような、無いような。

主人公のコララインは古い家の不思議な扉の向こうで、もう一組の両親に出会う。
本当の両親よりも優しいけど、その両目はなんとボタン!
私もボタンの目にされちゃうのはイヤだと拒否したら、本当の両親が攫われてしまう、
ってそんな導入。

ニール・ゲイマンのファンタジーはどこか気持ちが悪い部分があって面白いね。
しかしコララインの物語は、本当に子供向けで大丈夫か!?
変なトラウマにならないか!?ってくらい、気持ち悪いを通り越して怖い部分もある。
薄い文庫本なのに、ファンタジーだけじゃなくて、パニックホラーな要素から、
人間のドロドロした感情、家族間の問題等など、詰まりに詰まってる。

純粋な子どもの心で読んだら、はーハラハラしたっ☆くらいで済むのかな。
大人になるって余計な知識が増えてしまって、見なくていいことを見たり、
考えなくていいことを考えすぎたり、純粋に楽しむ才能が減ってしまうことなのか。
私には魔女が本当に「悪」だったのか分からないんだ。
確かに子供をさらって思うままに操ろうなんて、一方から見れば悪いことだけど、
魔女ももしかして、愛する対象が欲しかっただけなんじゃないかって。

コララインが健気に頑張っているところを、もはら親目線で応援してしまうのはちょっと自分が悲しい。

でも、生意気な黒猫が出て来るところは、とっても好きなところです。
魔女の宅急便が読みたくなったな。