ひつじの部屋

多趣味・多経験を活かしたい

八月後半にコツコツ読んでいた長編の話

レ・ミゼラブル上・下(角川文庫)
 V・ユゴー

本当はちゃんと全編全訳の5巻くらいある方を読みたいんだ。
でもなかなか古本屋で出会えないのもあるけど、
そもそも読み切る自信と勇気もなかったり。

しかし久々にじっくり読んでみたら、マリウス君やばいな!
ただのストーカー案件やで、これは。
一方的に跡付けて自宅を特定して、通い詰めるとか恐怖でしかない。

しかしマリウス君の案件も吹き飛ばす
ジャン・バルジャンのコゼットへの献身よ。
その結末にミュージカルの映画見た時も号泣したし、
何度読んでも泣けてしまう。


勾玉三部作
 荻原規子
「空色勾玉」「白鳥異伝(上・下)」「薄紅天女(上・下)」の
厚めの文庫が5冊分なので意外と重量級。
それぞれ独立した物語としても読める。
高校時代に「薄紅天女」だけ単行本で読んでいて、その後に三部作だったと知った。

村上春樹の「風の詩を聴け」のシリーズと同じパターンね。
実は道尾秀介の「花と流れ星」でも同じことをしている。
三部作は結末から読む呪いでも罹ってんのか。
てか、連作ならタイトルでそうだと分かるようにしていて頂きたい。
せめて背表紙の解説部分に○○シリーズ何作目!とか書いてほしい。(愚痴

勾玉三部作は和風ファンタジーで面白い。
日本神話がベースになっていて、古事記とかの知識があればより楽しめる。
「薄紅天女」は奈良時代くらいだから、普通に歴史で習ったような知識でも楽しい。
忘れていたような歴史的人物の名前が登場すると、古い知人に久々に再会した気分(笑)
お、久しぶりだね、田村麻呂~!ってな具合に。

いつも個々で読んでいたけど、改めて通して読んでみると
物語の繋がりがはっきり分かって新しい発見が出来たので良かった。

和風ファンタジーだと、最近は阿部智里の八咫烏シリーズも面白かったな。
これだと完全に異世界だから歴史の知識は関係ないけど。