ひつじの部屋

多趣味・多経験を活かしたい

今日の一冊「夜市」恒川光太郎

Wi-Fiの不調で1週間も更新できなかった。。
スマホからすれば良かったんだと気づいた昨日。
現代人やめたくなったわ。

そして今日の一冊は「夜市」
これよ、これこれ。これが読みたかったのよ。
「よもつひらさか」を読んだときに感じたコレじゃない感。
その正体は「夜市」を求めていたからなのよ。

本当は分かっていたんだけど、「夜市」では片道1時間の通勤に耐えうる厚みがないから、
雰囲気が似ていた気がして「よもつひらさか」を選んだのよ。

夜市は、妖しい異世界に迷い込む系の和風のファンタジーホラー。
異世界って言うと、なんか安っぽく聞こえちゃうのは、
最近「異世界転生系」のラノベっぽいのが氾濫しているからかな。
そんな生易しくないんだって。
狭間の世界というか、日本人が生来抱えている闇への恐怖というか、
そういう古き良き怪談的なゾッとする感じで。

物語の展開も、結末も、薄暗くてとても良い。うすら寒くて夏にオススメ。
「夜市」と「風の古道」の完全に独立した二編が収録されていて、どちらも良き。
全員幸せになるハッピーエンド好きには薦めないけど、
背表紙に書かれた「美しいエンディング」という言葉には全面同意する。