ひつじの部屋

多趣味・多経験を活かしたい

昨日の一冊「魔王」伊坂幸太郎

初めてこれ読んだのは十年くらい前かしら。
衝撃的だったよね。その後の人生に影響したと言っても過言ではない。

不思議な力を手に入れたお兄ちゃんが、宮沢賢治を愛する政治家から
日本を守ろうと戦う話、と言うと全然要約にもなってないけど、大体そんな感じの話。
これを読むと、高校の倫理の時間に習った服従の心理学の実験を思い出す。
ナチスの軍人は、なぜ何万ものユダヤ人を殺せたのか。
「それが仕事だったからだ」
人間は命令があれば残酷になれる。
本当にそれでいいのか、ちゃんと自分の心で考えろ、みたいな結論の。

最近の納得のいかないコロナ対策他、不信感ばかりの政治を見るたびに、
今の日本にも作中にでてくる犬養のような、
強くてちゃんと格好良い大人のリーダーが必要なんじゃないかと思ってしまう。
それがファシズムを助長すると気づいたとしても、
今なら私は犬養を応援してしまうかもしれない。
でも、クラレッタの捲れたスカートを直してあげたいと思える人間でいたいと思う。

 

「死神の精度」の死神が友情出演しているので、「魔王」の前に読んでおくことをオススメする。