ひつじの部屋

多趣味・多経験を活かしたい

八月の博物館/瀬名秀明(角川文庫) ※もしかしたらネタバレかも※

集中力の限界を感じたわ。

そもそも五日連続で長編を読もうなんて、いくら読書好きでも限度があるってもんよ。

まあ、今回はスマホがいじれない状況で長時間待機しなければならないという

謎に楽なのにハードな状況があったからという理由だけれども。

 

しかし読み切ったぞ。読み切ったけど、好きになれなかった。

一度は読んだはずなのに、記憶から抹消されていた理由を完全に理解。

好きじゃないタイプでした。

エジプトが舞台なところは好き。これは内容関係なく、古代文明が好きなだけ。

 

時代や主人公がコロコロ変わって、最初からうまく付いていけなくて躓いて、

登場人物によるメタ発言みたいなところもあんまり好きじゃない。

漫画でネタとしてのメタ発言は好きなんだけどなぁ。

真剣なトーンでの登場人物によるメタ発言はなんか気持ちが悪かった。

伊坂さんの「ホワイトラビット」の作者によるメタ発言?はむしろ面白いと思ったから、

たぶんこれは完全に私の好みの問題。

 

森見登美彦の「熱帯」と同じように読者を巻き込んでいくスタイルなのに、

どうして「熱帯」は性癖まっしぐらで、「八月の博物館」は好きじゃないのか。

そんな疑問に取り憑かれて悩んだ。

たぶん「熱帯」は一冊の本からドンドン世界が広がって、必然世界全てが「熱帯」やねん!つまり読んでいる貴殿が生きている限り、「熱帯」は完結しないのだ!

みたいな一つの物語を核にしたビッグバン的な感動かあるのに対して、

「八月の博物館」は、全てが一つの物語に帰結していくような、結局なぁーって感じが、せっかく500ページ以上も頑張って読んだのにって。

 

物語の展開的には意外性もあるし、粗筋だけ見れば面白いんだけどな。

まぁ、あとシンプルに主人公の性格が好きになれなかったってのもあるか。

どの登場人物にも感情移入できなかったし、ある一人については作者の愚痴をひけらかされたって感じ。

「君の名は」とか好きな人にとってはもしかしたら面白いかもね、知らんけど。