ひつじの部屋

多趣味・多経験を活かしたい

水辺のベンチシリーズ㉑ マウント・ビクトリア(首都ウェリントン)

なんでこんなにベンチが!?ww

というノリで撮った一枚。大して綺麗な光景でもない場所に居並ぶベンチ達。

まあ確かに青々した海は見えますけれども。ちなみに頂上ですらない。

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ちなみにのちなみに、頂上からの景色はこんな感じ

マウント・ビクトリアは標高196mという、小高い丘のような山。

首都ウェリントンが一望できることから、夜景スポットとしても有名かな。

車でほぼ頂上まで行けるみたいだった。

でもロード・オブ・ザ・リングのファンの方々にとっては、

一番最初の『旅の仲間』の撮影地となったことで有名。

ホビットたちが指輪の幽鬼の追っ手から身を隠した木が未だ生えているそう。

でも広い森の中の数ある木々の一本でしかないので、自力で見つけるのは不可能だと思う。

 

そんなことよりも。嬉しかった出会いが、このトゥイ君(黒い鳥)。

山頂の大砲と合わせて、ニュージーランド・フラックスというNZらしい植物の上で、

チャームポイントの喉元の白い飾り羽を見せつけるようにポーズをとるNZの鳥。

トゥイはNZでは珍しくも無い鳥だけど、NZの固有種。

 

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これはティリティリマタンギ島で撮ったキャベツの木に止まるトゥイ

花の蜜を主食にしているから、花を見ればトゥイもいるって感じ。

鳴き声がユニークで、ホロロロって感じの綺麗な声から、

ガーゲキョッゲキョッって感じの変な音まで色んな声を出してくるから、

初めて聞いた時は吃驚した。もう文字じゃ表現できないから、現地で聴いてほしい。

 

今日はトゥイ愛が溢れ出してしまった。

でも私が一番好きなNZの鳥は、このトゥイでも国鳥キウイでもなく、プケコちゃん。

もう名前の時点で可愛さが優秀でしょ。

ベンチシリーズがネタ切れたら、プケコ特集をまずやろう。

今日の一冊「黄金の烏」阿部智里(文春文庫)

ちゃんと順番に三巻目。
三巻目が苦手だった理由を、もう一つ思い出した。
ちょっとグロい表現があるんだった。。
いや、かなり、かも。
まず『大猿』による大量殺人?があって、
それから物語の終盤でとある人物が殺されるんだけど、
それぞれ割と残忍。
展開上仕方ないんだろうけど、とにかく全体的に暗いのよ。

でも久々にじっくり読んでみたら、面白かったわ。
小梅ちゃんも嫌いにはなれないわ。
前はファンタジーってことに重点を置いて読んでいたから、
死体の描写とかグロテスクな部分に拒否反応したんだろうな。

三巻目は、二巻目に引き続いて雪哉君がメイン。
二巻目で宮廷にコリゴリした雪哉君は自分の故郷に帰って、
のんびりと羽を休めていた、にも拘らず。
若宮に巻き込まれて事件に遭遇し、再び宮中に赴くことに。
八咫烏』を喰らう『大猿』の正体は何なのか・・・!?
ってのが粗筋で。
事件現場の唯一の生存者が、前々から名前だけ出している小梅ちゃん。
ちなみに、この『大猿』の正体はしばらく謎のまま。

ふわふわしたTHEファンタジーやら、呑気な異世界生活やらを
求めている場合は、コレジャナイ感に苛まれそう。
イメージ的にはハリポタの6巻目くらい暗い。
ファンタジーと言っても烏になれること以外の魔法的要素は無いけど。
なんならめっちゃ人間臭い感情と行動してるよね。

もっと魔法が使えちゃう系のファンタジーが読みたい反動が来てる。
イギリス文学が読みたい。

今日の一冊「烏は主を選ばない」阿部智里(文春文庫)

真面目に、昨日から引き続いて『八咫烏シリーズ』第二巻。

これは前作の「烏に単は似合わない」と対になっている話で、
時間軸まで並行しているから、あの場面の裏でこんなことをしていたのか、
みたいに裏話じゃないけど、逆の視点から見られて面白い。
一作目だけじゃハマらなかったとは思ったけど、
一作目を読んでいたからこそ楽しめた部分は大きい。

これもガッツリとファンタジーなのにしっかりとミステリー。
逆の視点と言っても犯人目線というわけではないので、サスペンスではない。
それに若宮暗殺計画だのなんだのと朝廷の闇が跋扈しているから、
とんでもねーわ、そりゃ嫁選びどころじゃねーわってなる。

そういえばこのシリーズにも天狗が出て来ていたな、なんてことを思い出した。
私の所蔵本には高確率で天狗か、それじゃなきゃ化け狸か河童が出て来るんだ。
無意識に魑魅魍魎を呼び寄せている。私の本棚は無害な百鬼夜行

なんやかんや、若宮と雪哉君の関係性が好きだわ。
次の主人公も雪哉君だけど、これから展開が暗くなっていくんだよなー。
ここまでは身内のすったもんだって感じだけど、
三巻目以降は『大猿』という『八咫烏』を喰うモノが登場して、もう世界の危機!みたいな。
世界を救え!みたいな少年漫画的な壮大な展開の方が私の好みではあるのは認めよう。

三巻目ってどんな内容だっけってチラ見してみたら、
私は四巻目が好きだったということに気づいた。
三巻目スキップしようかな・・・
なぜなら、三巻目の重要登場人物の小梅ちゃんが好きじゃないから。
四巻目の雪哉君の無双っぷりが最高に気持ちいいんだよなぁ。
ま、明日考えればいっか。

今日の一冊「烏に単は似合わない」阿部智里(文春文庫)

そろそろ読み返そうかなーと思っていたシリーズ物。

物語が一段落つく六巻までしか持ってないけど、
最近本屋で続きを見かけた。けど買わなかった。
古本屋で運命的に出会えたら買おうかな、くらいの。
一時期ハマってたんだけど、年取って熱意が冷めた。

これは一巻目だけど、これだけじゃハマらなかったな。
女同士のすったもんだは気持ち悪くて共感できないから好きじゃない。
二巻目の方が好き。
二巻目の主人公の雪哉少年の腹黒いのにたまに素直なキャラが好き。

異世界ファンタジーなんだけど、現代とも繋がりはある。
のは特に五巻目の「玉依姫」か。

基本的に登場人物は『八咫烏』という種族で、烏に姿を変えられる。
日本神話に出て来る、足が三本の例のアレ。
でも通常はヒトの形で生活していて、ヒトっぽい文明を築いている。
世界観的には奈良・平安なのかな。それか神話の世界。
貴族と平民との溝が深い感じ。近代的な機械の無い、全てが人力の世界。

当然の如く、貴族・皇族たちが主人公になって物語が展開していくわけだけども。
この一巻目は『若宮』といういわゆる皇太子、次期族長の嫁選びが主軸。
というわけで、煌びやかなお姫様たちがドロドロしているやつ。

しかし設定はファンタジーだけど思った以上にミステリーでサスペンス。
何人か殺されてるし。
ファンタジーの設定の細かさも面白いけど、あらすじと展開だけ見ても凄い。
あんまり書くとネタバレしかできない。けど、一言いうなれば、女って怖い。
女の気持ち悪い感じが、さすが女性作者だよね。

今日の一冊「太陽の塔」森見登美彦(新潮文庫)

なぜか森見さん祭り開催中の私。
太陽の塔」は何回読んでも記憶に残らない。
なんでだろ。白昼夢でも見ていたかのようにぼやけてしまって。

で、改めて読むたびに「あー(トーンは低め)」ってなる。
腐れ京大生の男臭強めな感じ。
そして、何度も「あーっwww」ってなっては読み飛ばすゴ○ブリキューブのエピソード。

美しさの欠片も見当たらないようでいて、
何故か繊細な恋愛小説を読んだかのような結末。
まるで白昼夢だわ。

端々に魅力的な文章が見られるところも混乱を増長する。
―余分な睡眠は何も生まない。ただ夢だけを生む。
―そして彼女は眠る。猫のように丸まって、傍らに座る私を置いて、
 夜ごと太陽の塔の夢を見る。
とかさ、「男だらけのフォークダンスを踊り狂う」人間の述懐とは思えんやん。

太陽の塔と招き猫をこよなく愛する水尾さんの謎めきっぷりが、
そのうち弁天様にもなってしまいそう。
妄想に彩られた神秘的な黒髪の乙女は、男の夢なのかしらね。

物語は全体的に「夢」をキーワードにして進んでいる感じなのかな。
「水尾さん」に振られた男である主人公の一人称の話で、
彼はどうして降られてしまったのか、をつらつらと語られているのが本筋で、
まあ、壮大な失恋話って感じでもあるんだけど。
太陽の塔に取り憑かれた女性の摩訶不思議なエピソードも交えつつ、
まあ最終的には主人公君、性格に難ありだけどイイ奴だなって感じです。

水辺のベンチシリーズ⑳ ピクトンの静かな入り江

ピクトンという小さな港町には、

シェイクスピア・ベイというこんなに素敵な入り江があるのです。

とてもとても穏やかな、澄み切った青い入り江。

木材の輸出場が近いので、静けさは写真程ではないけど。

 

このような木でできた散歩コースがあって、

とんとんと進んでいくと、片道二時間程度のトレッキングコースに続いていく。

 

入り江の畔には、ピクニックできるような木製のテーブルが備わっていました。

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これを「水辺のベンチ」と言い張る

シルバーファーンで並木道のようになったトレッキングコース。

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色々な種類の植物や鳥が生息しているようで、豊かな自然と森林浴を楽しめた。

アップダウンもそれなりにあったけど、比較的緩やかで、マウント・ジョンに比べたら楽勝だったかな。

 

人がいなすぎて怖くて歌いながら歩いていた。

逆に人とすれ違うと妖精的な属性の何かじゃないかと思えて怯えた。

みんな笑顔で挨拶してくれたけど。みんなと言っても五人もいなかったな。。

 

ゴールの展望は完全に廃墟化していて思っていた感じではなかったけど、

見えたサウンドの景色は最高の青だった。

 

今日の一冊「恋文の技術」森見登美彦

書簡体で書かれた小説に苦手意識があって、
なんとなく読めていなくて、今回初めて読んだ。
意外と面白かったわ。

研究の為に能登半島に流された守田一郎が書いた手紙だけで構成された書簡体。
京都にいる仲間たちに次々と手紙を書いていく。
返信の手紙は見せられていないのに、内容や京都で起こっている事件が
しっかりと伝わってくる。
どこまで守田君が正直に書いているかも分からないけど、
それぞれの文通相手の人となりが分かって面白い。
特に大塚女史の不遜な存在感が、有頂天家族に登場する弁天様じみていて魅力的。

小松崎君って他の小説にも出て来ていた気がしたけど、何だっけ。
そして森見登美彦なる小説家も文通相手で、貶されているところも愉快だった。
見どころのある家庭教師の元教え子との文通内容が、
ちゃんと可愛いところにちょっとキュンとした。

まぁ可愛いと言ってもしっかりと森見作品なので下世話な内容ではあるが。
この小説内に「おっぱい」という単語は何回出てきたのだろう。
金を積まれて頼まれたって数えたくはないが。

能登半島には行ったことがないけど、行ってみたくなった。
守田君がたまに綺麗な表現を使って風景を教えてくれるから。
金沢とか、東尋坊とかなら行ったことあるけど。
日本海側ってあんまり旅行先の候補に挙がらないのはなんでだろ。

そんなことはともかく、
これを読んでも恋文の技術は向上しないことだけは保証できます。